満足度★★★★★
音楽的な芝居
「人生」をデフォルメするには、どうすればいいのか、の見本市。
感動というより、感心しました。そして、楽しめました。
柴さんの作品は、とても音楽的なような気がします。
反復が生み出すリズムと、そこから生まれる「ズレ」の妙味。
「日常=繰り返し」であることは、さんざん言われてきましたが、
人生を変えるのは、何かしらの「大きな転機」ではなく、
その「ズレ」の中に潜いんでいる「得体の知れないもの」。
小さな幸せも、「ズレ」が生み出すグルーヴの一つの表れのような。
音楽もPVなら1つのアイデアで素晴らしい作品に成りえる。
ただ、PVの有名監督が必ずしも優れた映画作家ではないように、
柴氏も物語を志向するなら、真価を問われるのはこれから。