幻の国 公演情報 劇団昴「幻の国」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    古川健と言う作者が芝居を心得たうまい劇作家だということは、俳優座系、文学座系の二劇団の稽古場公演を、同じネタで(いい度胸だ)面白く見せてくれたことでよくわかった。ドイツを鏡にして、現代日本の状況を反面教師で見せるという趣向である。青年座の方は大衆扇動、こちら昴の方は市民社会の中の密告が主な素材で、要するにいろいろ大きな理想を掲げるが、全体主義の手法に騙されるな、と言う社会劇である。昭和前期の世代には、身に沁みた話ですぐに「大本営発表」と「隣組」が連想されるが、若い世代には目新しいだろう。こういう話を問題劇として面白くみせるのはいい企画だ。(だがここまでで充分だ)
    ほめる人は多いだろうから、気が付いたところ。外国の話だから人物のパタン化は避けられないにしても、事件の方もパタン化している。観客との接点に乏しい。青年座の時と同じ感想だが、次は日本を舞台に書いてほしい。幕切れ、何かに感じが似ていると思ったら、「女の一生」の幕切れと同じではないか。カリドールを踊る代わりに、花火が上がる。こういうところは日本情緒で締めているわけだが、その辺をもう一つこの才能豊かな作者には工夫して欲しいところだ。
    俳優はさすがに新劇系で、台詞は無難だが、ドイツの話と言うこともあってか、うごきに鮮やかさがない。舘田が目立つようではね。
    老人の観客が多いせいか、トイレの時間が予定の休憩時間では間に合わず、間が抜けたのは、大当たりのご愛嬌と言ったところか(笑)

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    2017/09/21 00:21

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  • 旗森さま

    俳優座「海の凹凸」の観てきた!へのコメント、ありがとうございました。
    最近のCoRichは使い勝手が悪いこともあり、コメントをいただいていたことに気づいておりませんでした。失礼いたしました。こちらにコメントすることをお許しください。

    仕事に追われていることもあって、この作品への観てきた!投稿が遅れていますが、私はこの作品も青年座での「旗を高く掲げよ」もかなり満足度が高い作品でした(青年座の方も日澤演出であればもっといい作品になったろうと思ってはいますが)。
    青年座でナチのSSを、そしてこの作品で東ドイツの秘密警察を、ふたつの老舗劇団で対比させた作品を書いた古川健の腰の据わった書きっぷりはまさに賞賛に値すると思っています。

    詳細な感想は今年中に必ず投稿しますので、またあらためて…。

    ありがとうございました。

    2017/10/21 13:52

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