満足度★★
ありきたりなテーマというものがある。それをもってダメな作品だと決めつけるのは間違っていると思う。見方を変えれば、それは普遍的なテーマであるから、何度も繰り替えされるだと思う。その意味では、この作品のテーマは普遍的で、そこにどのような回答を提示するのか、そしてどのような表現を用いるのかが、作品の価値なのだと思う。
また、テーマ性の強い作品や緊張感の高い作品に笑いを挟むのは当然ありである。一方、全編コメディで通しながら、強い主張を訴えるというのもありだ。
で、この作品はテーマの取り扱いが半端だ。コメディとしても半端だ。場面場面では、腹を抱えて笑えるのだけれど、芝居となると急にクールダウンしてしまう。死があり、差別があり、闘争があり、親子・夫婦・兄妹・恋人同士の愛情がある。そこが描かれる段になると、説得力がコメディ部分と乖離してしまい、何とも気まずい雰囲気になってしまう。