満足度★★
アンティゴネーの話は、ギリシア悲劇の中でも(設定はともかくとして)割と現代の価値観に通じる内容で翻案作品も多いような気がする。
そうした中で、この作品は完全に現代なのか、それともギリシアの時代なのか、それを交錯させているとしてその境界線あるいは緩衝地帯はどこかが不明朗だ。
役者の皆さんを左右に配置させ、演じる場に立たせる設定はさながらギリシアの舞台劇(あるいはブレヒト的なのかも)を彷彿とさせるが、その登場の際に不在から存在へと転換するキレがないので、フラッと出てきた感じしかしない。姉妹の会話は聞くべきものが多いので、メリハリと言う点で残念な気がする。