満足度★★★★
よくコメディーではそれぞれの誤解からお笑いの連鎖が展開されますが、本作では悲劇の連鎖が展開。
丁寧に翻訳されているので母・娘・長男とその嫁・召使、全員の性格や思惑の違いが理解しやすく、それぞれの思いの方向がズレまくっているのがよく分かります。
どれか一つの組み合わせでも、うまく合致していれば止められていたかもしれない悲劇はズレを修復できないまま悪い方へと転がっていく・・・。
登場人物の中で、ひと際強い意志を持ち一貫性のある行動をとる娘マルタ。
モンスターの様なキャラクターだが、彼女の「明るく自由な国」をひたすら渇望する気持ちには共感できる部分もあり何ともやり切れない。