満足度★★★★
ドキュメンタリー演劇
この芝居は「ドキュメンタリー演劇」と言っていいかな、と私は思う。
「普通に暮らしている人たち」がそこにいる。役者がわざとらしくない。
そのせいか、起こっている問題に一緒に立ち会っている感覚がした。
そして一緒に考えた。
表面はソフトに、しかし中身は、いま日本のおかれている問題を、ハードにそして骨太に、それを丁寧に描いている。
切実な局面に置かれている人たちのはずだが、沖縄だからだろうか、そこに住んでいる人たちはみんな明るい。
また、竹下景子さんと馬渕英里何さんが、いい意味でとけ込んでいる。
二役している役者が何人かいたが、微妙なさじ加減で演じ分けられていた。
「似ているけれどちょっと違う」
おもしろい、演劇ならではの瞬間の一つ。
2時間を超える芝居だが、全然飽きなかった。
終盤、竹下景子さんが演じる、映画監督クリモトヒロコの台詞を聞いたとき、
「あー、こういう考え方があるんだ。」と刺激を受けた。びっくりした。私の中にはなかった。
でも、「あり」だと思った。
その内容をここに書き込みたいけど、ネタばれみたいな感じがするので書きません。
観終わって、すがすがしさを感じた。
いま、日本そして世界、いろいろ問題が起っている。
「才能」も「力」もないそんな私だけど、「何か」できるんじゃないかと思った。
お薦めです。