着メロはお気に召すまま! 公演情報 CAPTAIN CHIMPANZEE「着メロはお気に召すまま!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    面白いが...
    物語は荒唐滑稽の展開であるが、飽きさせることなく観せる。その要因は場面の観せ方や構成が分かり易く、テンポがよかったことだと思う。その意味で丁寧な作り方であった。

    物語の設定は近未来のようであり、少し時代を遡るような...時代背景や場面設定を曖昧にすることでリアリティに距離を置いている。そうすることで、ファンタジーとして(多くのツッコミ所を含め)、非現実世界であることを表している。
    (上演時間1時間50分)

    ネタバレBOX

    素舞台...それだけに役者陣の演技力が重要になっている。梗概...家庭用ロボット販売営業所の中年女性社員・海野渚(池上映子サン)が主人公。性格・生活態度は受動的で、仕事一筋に生きてきたが、最近は後輩にも営業成績を抜かれ恋愛も仕事も思うようにならない。そんな時、誤って携帯電話を噴水に落としてしまう。そこに現れたのが少し怪しげな女神。 「お前が落としたのはこの金の携帯か銀の携帯か、それともスマホか…」 、もちろん正直に落とした電話を指すが渡してきたのが金の携帯電話である。寓話「金の斧、銀の斧」のパロディシーンである。そしていつの間にか、外国の王女の護衛をするはめになり、その婚約者の王子ともども悪の手から二人を守るような展開へ。金の携帯電話には、掛けた相手に一時的に変身でき、また相手の本心が分かるという”力”が秘められている。戸惑いながらもその”力”を駆使し...いつの間にか能動的になっている自分がいる。

    公演は少し誇張かもしれないが、”メタ・フィクション”のような気がする。いわゆる劇中劇...主人公の周りの人々や出来事が彼女自身の成長へ繋がって行く。彼女の正直な気持(流される面)の表れと行動が周囲へ影響を与え次の場面へ誘う。もちろん”力”によって変身(登場人物としての役者が入れ替わる)などの演出が見られる。

    彼女の成長・変化という まじめパート、ヒーローとダーティの格闘シーンにおけるドタバタパートが絶妙なバランスで成り立っている(本筋だけ追うなら不要だと思う)。そのどちらのパートもコメディという大枠の中で生き(人)活き(ロボット)と描かれていた。また携帯電話の新旧機種に準(なぞら)えた教訓的なことも垣間見える。

    どこにでもいそうな(普通)人物の成長という堅い話をドタバタ騒動の中で面白可笑しく観(魅)せる。その演技...役者は熱演であったと思うが、それでも想像力をフル回転させなければ...。

    次回公演を楽しみにしております。

    0

    2016/11/05 12:23

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大