満足度★★★★★
三億円事件
脚本が面白い。よく出来ている。内容は今までに聞いたようなことがある話ばかりだが、構成がうまいのであきない。お互いに不信感がある二組の刑事たちが最後にしがみつくように解決の情熱を燃やすところが切ない日本人論になっている。(ここは「東京裁判」も同じだったが)。余りこのように書く人がいないので今後も新しい切り口で見せてください、期待しています。今回は、それにないより、小劇場界を網羅したようなキャスティングがいい。野木さんのホンはいつもいい役者で見たいと思うが今回はかなり満足した。欲を言えばもっといい役者で、もうすこし大きい劇場で、いい椅子で見たい。本多は無理かもしれないが、トラムや東芸の地下。制作も大変でしょうが、治天の君がもう完売しているのだからこういう芝居の客はいますよ。