満足度★★★★
浅草にこの舞台ありき
前作に続き、二度目のドガドガ+を観劇できた。楽しみであった。
ストーリーのある芝居ではあるのだが、必ずある歌と踊り、お色気が、この伝統ある歓楽街の一角で過去何人もがそれを味わっただろう、その場所もろとも立ち上がるような錯覚に陥る。
時折登場して「くさい・・」とスプレーを撒く白髪オヤジ(望月六郎)の挙動が意味深。これは過去ではない、「未来のにおいだ」と吐く。
時代は昭和15年。きな臭い時代の、目一杯エロ目線で射抜いた男女(または女と女)の物語。(性)愛に生きる事の生き物としてのまっすぐさが、肌で感じられるのは、華美な演出に紛れがちであるが俳優たちの体を張った仕事からだろう。
10周年ゲストとして隈本吉成(二兎社「時の置物」以来)、もう婆役をやる年齢か、<?>一点の石井ひとみも好感。
この舞台は浅草ならではの作りだが、周りを見渡せば実はオリジナルな存在かも知れない。他には無い客層も味わいの一つ。浅草演芸ホールを横目に東洋館に足を踏み入れるのも独特な気分である。