HOME!! 公演情報 [DISH]プロデュース「HOME!!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    心温まるが...
    本当の家族、本物の家族という定義をすること自体無意味と思えるような、そんな”家族”の心温まる物語。内容はほのぼのとしているが、舞台セットとの関係では違和感が...。
    さらに、物語の根幹に関わると思うところにも疑問が...。
    この違和感と疑問がどうも気になる。
    (上演時間1時間50分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、段差があり高い位置の舞台・上手側にHOMEのイメージを作っている。その家の外形は鉄鋼、また中央にある2つの扉も黒い鉄製で、それも閉鎖している。

    物語はこの家に住んでいる高齢・伊達博万(斎藤みつじサン)が惚け出した、いや認知症に近いイメージである。隣近所の人、民生委員の人たちが気にかけている。この家、もともとは身寄りのない子を預かっていた施設のようである。孤児院といったところであろうか。ここで育った子供たちは自立し、最近ではこの元ホームへ立ち寄らない。この惚けの状況を近所の人は、その自立した子供たちへ連絡し...。そして、この伊達さんとその妻・こずえ(大友恵理サン)(当初、行方不明という設定)との間に実の娘・華(臼井静サン)がいる。この娘はその子(孫)・涼(吉田珠子サン)を連れて実家に帰ってきた。そこで育った、血の繋がりのない”兄弟姉妹”と再会し、ドタバタ騒動が起きる。その実子と孤児たちとは分け隔てなく育てられた。そこに真の家族の姿を見ることが出来るという心温まるドラマ。

    さて、物語では自分の居所が分からない、迷子になってしまう。宅急便が来ることを忘れる、冷凍食品を冷蔵庫へ入れ忘れそうになる、など認知症を思わせる行動。そして民生委員が見回っている。
    ところが、ラスト...妻と一緒に登場しない海外にいる子供に会いに行く。妻との会話から惚け出してはいるが、そのフリであることが明らかになる。何故、認知症のフリが必要なのかが分からない。また子役が登場し、父の子供の時の幻影のという描き方である。その意味するところも説明不足のように思う。

    この物語は、少し古い言い方をすれば「義理」(育てたと言ったら寂しいが)と「人情」(隣近所の世話)の世界のようなもの。そう考えると認知症または過度の惚けたフリは、人の善意を弄ぶまたは裏切っているように思えてならない。
    また、心温まるというソフトで明るいイメージと、舞台セットのハードで暗い(黒扉)イメージのギャップに違和感を覚える。
    この、疑問と違和感が払拭出来ず気になった。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2016/08/28 14:54

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