スリー・ハンドレッド・ミリオン 公演情報 Q商会「スリー・ハンドレッド・ミリオン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    面白いのに...勿体無い【B】
    昭和の3億円事件をモチーフにした劇を創作する、その作家の脳内物語。その創作に妄想が入り、想像のキャラクター達を解き放ち勝手に動き出す。作家と作家が作り出した相棒「お岩ちゃん」が物語を進める。
    この物語の本筋は、ショートコントの繋がりが除々に物語の全体像を表す。その姿はジクソーパズルのようにピースがピタッと填(は)まり、辻褄が合う訳ではないが、千切り絵のような味わいのある物語が出来上がってくる。
    (上演時間1時間30分)

    ネタバレBOX

    舞台は、うしろの壁が鉄扉(円道路鋲のような打ち)のようで固いイメージであるが、そこで繰り広げられる話は、コント&コントという柔らかいもの。
    梗概...作家のところに新作のオファーが来る。そのオファーは 「三億円事件」(1975年12月)の真相を突き止めるというもの。 未解決事件の真相を突き止めるため、想像のキャラクターを解き放つが、思いも寄らない”真相”に辿り着く、というもの。

    まず3億円事件の概要を映像で説明し、その背景に独自の解釈を付ける。虚実綯い交ぜのような面白さがある。それは3億円事件の犯人は警察内部の仕業、というよりは警察組織そのものが犯した事件とする。そして有名なモンタージュ写真...それを使った捜査は、反社会的勢力(暴力団等)や学生運動家の取り締まりに利用したという。疑惑に思われた事柄を笑いに包み込みながら鋭く描く。さらにフリーメイソンが暗躍しているという壮大な物語である。
    また、別の誘拐事件を作り、その身代金3億円であることから2つの”3億円事件”を絡ませミステリー風に展開していく。さらにグリコ・森永事件(1984・1985年)も取り上げる。観客を飽きさせない工夫や伏線をコントに用いるなど、観せ方は巧みである。バラバラのコントが千切った色紙を貼り合わせるように彩りを増し、その手作り感にぬくもりを感じる。稚拙だと思っていたコントがしっかり計算され繋がっていく様は見事であった。

    なお個人的には、次のシーンは好まない。
    グリコ・森永事件を扱っていることから、1粒キャラメルを噛み、それを次々他の人へ噛み渡す。その口から口へ、...気持ち悪い。また舞台(板)でキャラメルを踏んで、それを口に入れる。過度に不衛生(汚い)で、品がない演出は好まない。この観せ方でなくても笑わせることが出来ると思うが。
    因みに、チラシには「『下品ほっこり』コント演劇」とある。
    実に残念な公演になったと思う。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2016/08/24 19:26

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