満足度★★★
ストレートプレイ+α
芝居塾、主に若者の参加で成る「参加型」の企画では、「完成」が形として見えるダンスや歌が中心にあるのが熱が入りやすい。今回はストレートプレイで「演技」の課題に若者らは挑戦した格好だが、「音楽」としては彼らはオープニングと芝居の途中、そしてラストにストンプ風の「演奏」をやる。掃除道具などの物を集団で鳴らす「音」は、この芝居が犬猫の殺処分を行う保健所(今は別の呼称だろうけど)を舞台に、(対動物に限らず)人間のエゴ、身勝手さを声を荒げず描出する内容なのに呼応して、言葉にならない心情を「音」に乗せ、力強かった。
問題の、若者たちだが、拙さは当然見え隠れするが、巧まず滲み出るキャラや表現がその分をカバーして余りある、かどうかは別にして、このストレートプレイに貢献していた。
80分。