7 -2016 ver.- 公演情報 7 -2016 ver.-」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
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  • 満足度★★★

    ストレートプレイ+α
    芝居塾、主に若者の参加で成る「参加型」の企画では、「完成」が形として見えるダンスや歌が中心にあるのが熱が入りやすい。今回はストレートプレイで「演技」の課題に若者らは挑戦した格好だが、「音楽」としては彼らはオープニングと芝居の途中、そしてラストにストンプ風の「演奏」をやる。掃除道具などの物を集団で鳴らす「音」は、この芝居が犬猫の殺処分を行う保健所(今は別の呼称だろうけど)を舞台に、(対動物に限らず)人間のエゴ、身勝手さを声を荒げず描出する内容なのに呼応して、言葉にならない心情を「音」に乗せ、力強かった。
    問題の、若者たちだが、拙さは当然見え隠れするが、巧まず滲み出るキャラや表現がその分をカバーして余りある、かどうかは別にして、このストレートプレイに貢献していた。
    80分。

    ネタバレBOX

    一考したいのは檻の中の犬たちのやり取り、舞台全体の中での処理。奥の檻と、手前の職員控え室の関係・・・手前でのやり取りをじっと見ている犬たち、という描写があったが、二つの空間の関係というか、意味合いをあともう一歩踏み込んで整理し、役者はそれを飲み込んでさらに能動的に生き生きと演じる・・・という具合に行きたかったな、と。こないだ檻に入れられて泣いていた新顔の犬が、次の場面では明日には殺される位置に座っていたりする、などの工夫は良いが、犬の感情のグラデーションの細かさがもう一歩で、単調なイメージを出ない部分もあった。擬人化した結果、人間の感情が強くなり、「動物」らしさ(達観?)を少し書き込んでも良い気がした。
  • 満足度★★★★

    力作だが弱い部分もある
    同劇団の代表作なのだそうだが未見。しかも今回は、演劇塾ということで若い(高校生~20代)の役者を多数入れての公演で、大分テイストが変わったのだろうと思う。本紹介にある「説明」は登場人物の一方側からの観点で、初演はこちらだけが登場したのだと言う。今回は、上記の事情から他方側の観点を入れたことで、対比が分かりやすくなった分、焦点が少し惚けた感があり勿体ない。それと、登場人物の造形がやや濃やかさには欠けてしまい、みんなこんな人達なのか、などと思われていたら、それも残念なことである。とは言え、テーマも描き方も代表作と呼ぶのに相応しいものではあると思うし、音で場面を転換する技術も面白い。エンディングは圧巻とも言える。力作である。

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