満足度★★★★
「劇作家」括りで一つ今後も。
4作家、4作品の短編上演は、どれも劇世界がしっかり書かれ、作られていた。二名の作家の名を知っていたので観劇となったが、王子くんだりまで足を運んだ甲斐あり。 3番目の活劇は動きがあり「恋愛」の成就という面だけでなく、時代を映そうとするメタファーが効いている点が、抜きん出ていたと思う。オタクの居直りとその中で辿りついた「あり得べき生き方」の吐露には切実さがあり、一方の生徒会勢力の言辞は本音そのものであると同時に、ドラマとしては男子への叱咤激励の意味合いとなっている。罵倒されても心地よい感覚は、あけすけな現実を踏まえて物を語っていることから来るのだと思う。両者異なる立場の「激突」という形をとった議論が、ある妥協点を見出す局面に、「恋愛」が重ねられるという、うまい作りである。
劇団劇作家による連続上演も楽しい企画だったが、劇作家主導で作られる公演は興味深い。競う相手と協同するという形が、いい。