BENT ベント 公演情報 パルコ・プロデュース「BENT ベント」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    人間ドラマの深淵
    素晴らしい舞台でした。

    言葉では言い尽くせない、まさに、芝居を生で観ないと、体感できない、凄まじい舞台作品でした。

    出演者の体現力が素晴らしい!

    こんなにも、観ていて辛くなる内容なのに、感動がひたひたと押し寄せてきて、演劇の神髄を観た思いがしました。

    最後は、予想できました。何となく、「100万回生きた猫」を思い出します。
    人によって、捉え方は様々でしょうが、私には、究極のハッピーエンドに感じられました。

    ネタバレBOX

    佐々木蔵之介さんと、北村有起哉さんの、役者力に、とにかく感動の連続でした。

    二人が、過酷な状況下で、愛を確かめ合うシーンは、壮絶です。

    二人の台詞だけで、二人の繋がりが濃密になり行く様が、目に浮かびます。

    だんだんと、それが進行するに従って、二人の息遣いや、腹筋の動きが加速して行く表現力に、心酔しました。

    脚本と、演出にも、無駄がなく、淀みもなく、全てに、破綻のない、完璧な舞台芸術でした。

    今、世界の全ての状況が、あの時代に逆行しつつある危険を感じるので、ナチスの所業の恐ろしさに、心身たじろいで、見入っていました。

    同性愛にもかかわらず、それを隠して、ユダヤの振りをしていた主人公が、ようやく、心jから愛することができる相手をみつけ、彼が鉄条網に触れされられて、銃殺された後、彼の死体を処理した後、彼の着ていた、同性愛囚人の証拠のピンクの印のついた囚人服に着替え、自ら、鉄条網に近づいて行くラストは、壮絶ですが、彼の心はやっと満たされていたのだろうと、「100万回生きた猫」の安らぎの死を想起しました。

    0

    2016/07/23 16:57

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大