満足度★★★★
現代音楽と時代劇の融合...次代劇として期待大!
映画「7人の侍」(黒澤明監督・1954年)を思い出す。もちろん、モチーフもストーリーも関係ないが、物語の骨太さ、斬新さという点で似ているような気がする。また観せ方のイメージは絢爛豪華というよりは、地を這うような血・汗・泥という言葉が似つかわしいところも同じような。
乱世...戦国孤児が生きることに汲々とした暮らしから、いつの間にか野望に魅せられた人間へ変貌していく。その生き様をダイナミックに描く。
また、芝居としての観せ方も大胆であった。その1つが舞台セットの妙である。劇団鹿殺しは、 こまばアゴラ劇場、青山円形劇場、紀伊國屋ホールと劇場規模が大きくなってきている。
今回はサンシャイン劇場であり、どの客席からでもしっかり観えるよう工夫している。そして劇団の管楽器隊と現役ミュージシャンでバンドを編成し生演奏で聴かせる。そのため上手側に大きく演奏スペースを確保している。芝居の舞台面は斜めになっており、1階最前列や2階席からも観やすいような、いわゆる八百屋舞台の作りである。
もう1つ感心したところ...演出の格調の高さである。現世・来世を往還する姿に有名な文学作品を思わせるシーンが...
(上演時間2時間5分)