満足度★★★★
余所者って、なんだろう・・・と。
脚本には、福谷くんらしさが。
演出には、大熊くんらしさが。
不思議とどちらのカラーも褪せることなく、鮮やかに感じられる良きコラボでした。
入ってまず、スタジオを横長に使っていてびっくりしました。
こんなに横長でお芝居観ること、あまりないので。
始まってしばらく経って、またびっくり。
アカルスタジオは本来はスタジオなので、覆っている黒のカーテンを取り除くと、一面、壁が鏡張り。
また可動式の鏡も使用、しかも暗転中に演者が客席の背後に回ったり、そのままそこで芝居をしたり。
客席前にある鏡で、背後で芝居をする演者を観る、合わせ鏡で無限に映される、そこに観てる観客も混じり合い溶け合い・・・もうなんともいえない異空間に迷い込んだかのような感覚。
さすが、アカルスタジオで講師をしている大熊くん、場を知り尽くしている、面白い演出するわ!
冒頭はね・・・ちょっと怖かった(笑)
ただでさえ雰囲気が怖いのに、爆音鳴らされた時にゃ、心の底から震え上がり、ちょっと眉毛ハの字になりましたね、リアル。
怖いのとか、ほんと不得手なので・・・ちょっと怯えながら。
次第に怖さよりも、小気味の良い面白さの方が勝ってゆきましたが。
台詞の言葉遊びが面白い、会話が面白い、可愛い女子から出る暴言がやっぱりイイ。
いつもよりは比較的素直な作りに感じたのは、後を人にバトンタッチすることを意識しているからなのかな~とか。
なんとなしに大熊くんに渡すバトンを置いていった印象を受けました。違うかもですが。
素直っていっても・・・余所者が踊ったら止まない雨が降るだとか。
じゃ、余所者の定義ってなんだろう?余所者ってなんだろう?って観劇後まで深く思考の海に沈められてしまったりとか。
何故か宇宙人や宇宙船まで登場したりだとか。
奇想天外に富んでいる、という点では、素直ではないのかもしれないです(笑)
また、オーディションで選ばれたというキャストの魅力を、上手いこと引き出そうとされてたような。
決して、こちら側の色に染めてやろうと圧をかけるのではなく。
キャストが伸びやかに役を身体に降ろしていたように思いました。
総じて、面白い良い公演でした。
アカルスタジオ公演、やはり注目です。