椿チームを観た2回目です
◆この舞台はキャストの一部がダブルになっていてエンディングの台本も違うものになっている。とは言っても主役はシングルだし台本も殆どは同じ。でも観劇後の印象は結構違います。椿チームの舞台は蘭チームと比べ穏やかな印象が残るのに対し、蘭チームは、伊藤えみ(早苗)と鎌田亜由美(中野)の女優対決を中心にハードな感じ。◆また、主演の伊藤えみ(早苗)には一人芝居的な場面も設定されていて、この作品の中では唯一の静かな見せ場になっています。場面の後半では夫婦共演にはなるものの二人の間に絡みは殆ど無く実質一人芝居が続きます。そこで早苗が歌う子守歌には早苗に突きつけられた残酷な現実と、それに目を背けて信じ込みたい虚構の現実とが複雑に織り込まれていて、それを子守歌の歌い方・声の使い方だけで表現しなければならない役者の演技力の見せ処にもなっています。これが上手く決まると客席にも物の哀れを強く誘って男性でも嗚咽が... 勿論、客席を泣かせりゃいいって事ではないけど、それは役者と演出家の成果ではあるとも思います。