満足度★★★
夢という仕掛け
元・青春事情の高桑さんが脚本の、
青春から少し時間が経った人たちの物語。
人間の再生、というか、前に進むことの大切さ、みたいな。
高桑さんのブレなさが伝わってくる本。
しかしあれですね、今この現実がひょっとしたら夢かもしれない、
みたいな感覚は、やっぱ面白いですね。
作中に撮影される自主映画『パラレル』のストーリーとも相まって、
マトリックス的感覚、というかなんというか。
風姿花伝に仕掛けられた盆舞台と、中盤以降の仕掛けがおもろい。
あと、役者のキャラが濃い。
伝説の役者・新崎(平澤智)がキャラ濃すぎでおもろい。
素直に突っ走る青春、から一歩年齢を重ねた人たちの、
ほろ苦い思い。
僕はわりと人間がひねくれている方なので、
「感動したー!!」
というよりは
「仕掛けが面白い」みたいな感想に行き着くのですが、
素直な方は十二分に感動できるかと。
キャラに重心が行き過ぎて、台詞が若干迷子になってる部分とか、
もったいない感があります。
後半の重たさも、もう少し。もう少し短いと、より観やすいかしら、なんて思います。
今の私たちには、前に進むために区切りが必要、
という助監督の決断、かっこよかった。