CRANK UP 公演情報 PLAN N「CRANK UP」の観てきた!クチコミとコメント

  • 運営面で難あり
    初見の演劇ユニット(劇団ではないという)の初日公演。芝居は面白かったが、運営面で残念なことがあった。観客マナーの悪さと主催側の対応の拙さが気になった。あまり運営面は書き込まないが、今回は危機管理が絡む。
    上演時間近くに入場した人が、通路最前列に椅子を置き観劇していた。実質一番観やすい席となるが、そこは通路である。非常時の際の避難通路として確保しておくもの。客とは言え、主催者はしっかり断る等の対応をすべきである。この危機管理の甘さと他の観客(自分も含め)の心証を悪くしたと思う。

    芝居は先に書いたとおり面白い。それは映画製作に関わる若者の群像劇で、等身大と思えるような清々しい印象を受けた。
    芝居は★4である。
    (上演時間2時間15分)

    ネタバレBOX

    過去・現在・未来のパラレルワールド...そのキーワードに示される観せ方は、演劇(映画も同様)手法としてはよく見かけるもの。しかし、少し捻りもあり凝った作りになっており、最後まで飽きさせない。それだけ緩急あるテンポとキャラクターを立ち上げた役者の演技力が素晴らしい。

    舞台セットは、中央に回転する盆舞台。後方には左右非対象の階段状のスペース。それを囲うようにパイプの組み合わせ。イメージは廃墟、工事現場といったところ。このセットは後々印象深くなる。

    大学の卒業映画製作を通じて描かれるドラマ。製作することができるのは1本、企画は同期2人(百瀬亮役・沼田星麻サン、鈴井直也役・吉田朋弘サン)が持っているが、結局1本に絞込み撮影を開始。多少のギクシャクを残しつつも順調に進んでいた撮影終盤に事故が...。撮影は中断し、映画は未完成のまま3年が経過した。その間に仲間はそれぞれの道へ。
    何とか完成させたいと、撮影を再開させようとするが、問題が山積する。

    芝居の構成は映画のカットバックのようである。過去シーンを現実(病室)で丁寧に重ね合わせるが、ほとんどを再現させているようでぐどく感じる。パラレルワールドの世界観を表現したい気持は解るが、1~2シーンの回想に止め、イメージを伝えるだけでも十分ではないか。
    病室(カーテンを映写用の幕に転用する)での上映会。未完成の映像、そこには公園か広場が映し出される。先の舞台セットがパイプ等の無機質であること、その撮影現場は緑葉に光輝く自然豊かな場所であったという、その対比もよく考えている。芝居としては、伏線も巡らせ、構成も緻密にし観せようと工夫している。

    ラスト...病室の見舞いに「フリージア」の花が...その色は黄色っぽい。その花言葉「無邪気」はこの映画製作に携わった人々そのもの。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2016/06/30 00:17

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