満足度★★★★
発想は良いが、その表現が...
場内に入った途端、そこは廃墟。そして不安を掻き立てるような水滴の音。タイトル...「SEN-RITSU」であるが、漢字にすると「戦慄」と書く(もうひとつ「旋律」もあり、こちらは主人公の名が...)。国家認識の欠如、アイデンティティの喪失がもたらした結果、表記が カタカナ になったかのようだ。
本公演は、日本という国が舞台であるが、日本人は少なくなり、中国、韓国といった他国の移住者が其々の地域エリアを形成している。そのエリア抗争を軸に友情・裏切・恋愛といった青春群像が観られる。一方、暴力・略奪、そして殺人という非合法行為が日常茶飯事のディストピアの世界観も描かれる。そんなダーク・バイオレンスドラマである。
この芝居でいくつか気になるところも...。
(上演時間2時間)