満足度★★★★
暖かい時間
安定のやさしく暖かい時間が流れ、心がほっこり。「兄弟船」で観客全員号泣、沈没しました・・・・。そして感じたのは「こんなものなのかも知れない・・。」ということ。前半の宿泊客の女性二人の人生は彼らの中で完結しているものであり、漁港の人々とわずかの交流や関係はあるものの、良い思い出として残るという程度のものであり、小さな共同体の中で生きる人々の人生には何の影響もないということだ。人生には深いドラマになり得る関係とそうではない関係があり、私も泊り客の女性二人が後半のストーリーに絡んでこないことに疑問を感じたが、「ああ、そんなものなのかも知れない・・・。」と目を開かれる思いだった。前半と後半の二つのドラマの違いがクリアーで見事。わずかの誤解から仲違いが生じ、それをなかなか解けない人生がもどかしい。