満足度★★★★
艶笑譚...男女の卑小な欲望が見える【ハッピーエンドVer】
この物語は、コミカルな演出にしつつも人間(夫婦)の在り方を冷徹に見直す、そんな普遍性を盛り込んでいるように感じた。それは上辺だけを見ていない。夫婦である前に「女」、「男」という生殖が先立つような色気を漂わせる。その匂(臭)い立つような空気は、ケンカでもすれば臭い冷気、仲が良ければ匂う暖気という寒暖がしっかり観てとれ、なぜか頬が弛んでくる。その笑いを誘う演出と役者の息の合った(シンクロするような)演技が実に心地よい。ケンカはしているが、一本ネジが弛んだような脱力感溢れる夫婦、元妻と現妻との間を行ったり来たりしている割には、地べたに足が着いた男を中心にした奇妙な夫婦。この2組の夫婦の生活観(感)、呼吸、リズムが伝わるような錯覚に陥る。