um~潮龍伝~ 公演情報 super Actors team The funny face of a pirate ship 快賊船「um~潮龍伝~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    時の刻みが歴史になるような...
    物語(脚本)は、史実、伝説、話題になった映画など、いろいろな要素を盛り込んだ、少し大袈裟に言えば叙事詩のようなもの。それだけに内容(筋)が複雑になっているように思った。できれば、当日パンフに あらすじ 相関図 が書かれていると分かりやすく、物語に集中できた。何しろ「説明文」こそが叙事詩のような...。

    演出は、劇団の特長である殺陣はもちろん、笑いネタも所々に散りばめて飽きさせない工夫をしている。役者は熱演しているが、22名という登場人物は多く、役名も難しくて...。

    ネタバレBOX

    「源平、壇ノ浦の合戦」で海に沈んだ 三種の神器 を引き合いに、それを手中にし天下を治めることを目論む。この三種の神器のうち、「かがみ」を海から探し出す方法が釣り、この件が「龍宮・乙姫伝説」のようである。そして時空を越えて、時は戦国時代に終わりを告げる天下分け目の合戦(敗軍は豊臣氏?=役名は桐羽秀国である。「桐」の家紋は豊臣家を示す)、さらには映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの海賊・幽霊船のイメージである。月の光の下の忌まわしい姿を晒す。永遠に死なない生ける屍...。黄金のメダルがその呪いを解くが、この芝居では伝説が、龍の洞窟にいる龍に自分の心臓を預ける、メダルが勾玉など、その重なる部分が多い。それはそれでロマンを感じる。ただし、物語の筋が入り組み、それを追うのが忙しい。

    芝居の台詞にもある『荘子』の「胡蝶の夢」の認識に誘われる。時空を越えた世界観であり、全ては夢の中の出来事のようであると。その先にあるのは「生きることが大切」を思わせる重要なシーン。その割には殺陣でバッサリ切るのだから...。

    舞台セットは、上手・下手に段差を設け、中央に殺陣スペースを確保している。そして衣装や音楽は沖縄(琉球)を思わせ、化粧(メイク)は、この世の者ではない独特な怪(妖)しげを醸し出す。

    この主人公・平子教知-晴嵐将軍(清水勝生サン)、源東/三島 潮(金村美波サン)は恋仲になるが、名前から敵の子孫のような、ここにもシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をイメージしてしまう。この芝居は、いわば古今東西のフィクション・ノンフィクションを融合し、悠久の時の流れに壮大な物語を紡いだか。それゆえ、雰囲気は幸若舞「敦盛」の一節...「夢か現(うつつ)か幻か」のようであり、アッという間の2時間(上演時間)、楽しめました。

    次回公演を楽しみにしております。

    0

    2016/05/08 20:59

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大