愛、あるいは哀、それは相。 公演情報 TOKYOハンバーグ「愛、あるいは哀、それは相。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    劇小劇場に満ちる不穏な効果音
    で始まるこの劇、再再演だったんですね。バカバカ、二回も見逃すなんて、間抜けすぎる私・・・・。で、まず、音響に驚きました。この劇場、音響のシステムを替えたのか、あるいは元の音源が余程良いのか、効果音もアコースティックな音楽も素晴らしく、すべての音が胸に響く。この哀しく苦しいお話に、せめて音楽だけでも美しく響いて欲しいという願いが込められているかのようだ。
    お話は故郷を失った人と、確固たる文化共同体の中にある人々との対比が
    鮮明で、私たち日本人がこの時代になってもどれほど自分が属している
    社会に守られ、その中で包まれて生きているかを思い知らされる。被災者が無くしたものの大きさ、大切さをこれほど分かり易く、直接話法で語りかけてくる演劇も少ないと思う。そして彼らのこれからの生活基盤の不安定さ、無分別な情報の錯綜による足場の頼りなさを訴える演劇を他に知りません。ゲネプロ観劇。

    ネタバレBOX

    福島南相馬市の被災者の疎開先として伊勢神宮の氏子(でいいのかな)の家庭を持ってくるとは・・・・・。それだけでも唸らされました。関西弁ともまた少し違う独特な訛りなどもかなりよく研究されていたと思う。和歌山弁、阿波弁などに似ていますね。
    氏子の伝承唄なども、さすが役者さんらしく豊かで素晴らしい発声で聞き惚れました。この劇、本当に細かいところまで神経が行き届いていて、リアリズムに溢れ、若干の台詞の噛みなどものともしない力強い脚本だったと思います。(そうそう、飲み物を運ぶ時はああやってテーブルをぐるりと回ってから運ぶのがプロのやり方だ~とか思って見てました)どの俳優さんも素晴らしかったですが、JKのほとみの猫舌の演技は、ほんの一瞬なのに暖かい演技で心に残りました。花札がこちらの知識が無く、よくわからなかったのが残念。

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    2016/03/30 19:58

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