俺が妹(30)を好きになるはずがない 公演情報 ソテツトンネル「俺が妹(30)を好きになるはずがない」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    不思議な空間演出...嫌いではない
    全面が白い空間(場内)、そこにいくつかのBOXが積み置かれている。始まると同時に役者が片付けるように上手、下手に運び並べる。何の意味があるのか分からなかったが、時間軸の整理のようであった。この物語は、タイトルを素直に受け入れるような兄・妹の恋愛感情を描いたものではないようだ。

    また、この物語に出てくる動物の扱いは、住民・街にとっては切実なところもあるらしい。それを、さらりと表現するところはうまい。
    しかし、この話の時間軸はどちらの視座から観ているのか、その曖昧さが自分の意識を混乱させ、今ひとつ物語に入り込めなかった。

    ネタバレBOX

    一時、ネコとハンバーガーショップの名を掛け合わせた”ネ〇〇ナルド”なるネーミングが都市伝説のように流布したことがあった。

    この物語における田尻妹の起業動機は、ハクビシン(ジャコウネコ科)の保護。それから時を経て、今度は持て余したのか、中国へ(輸)出しているらしい。たまに地方新聞などでハクビシンによる害(農作物、悪臭など)が報じられるが、「鳥獣保護法」により駆除対象となっていない。実害を理由とした、鳥獣保護法に基づく都道府県などの許可(「有害鳥獣」認定)が必要で、「住宅街をうろついている」など民間人の予防的捕獲は許されていない。この起業の背景にはこんな事情も垣間見える。妹の現況は、先のハクビシンに対する取り扱いが法に抵触しているため、関係者(同僚)から逃避しているようだ。

    さて、兄妹の恋愛的な関係を示唆するようなタイトルである が、実のところ、兄は妹の存在を(積極的に?)隠し、恋人と付き合っていた。この兄は妹の起業資金を援助しているが、恋人にしてみれば存在を知らされず、金銭的援助までしていることから、近親相姦の疑惑・妄想をいだく。
    この歪な関係性が緩く、少し怖く描かれる。なお、兄の恋人の存在は過去(2016年)の回想で、現状(2021年)は逃避行生活を続けているのであろうか。この時間軸(5年間)の視座が判然としなく混乱した。

    演技は、田尻妹(吉田啓子サン)の気怠い(アンニュイ)ような動き、田尻兄(杉元秀透サン)のニヤケタ優柔不断な態度が不思議と印象に残った。

    なお、中国ではハクビシンを料理(煮込み)しているらしいが、この話の中でも田尻妹は同僚へ煮込み中のカレーをすすめ...。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2016/03/21 11:07

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