そこにある場所 公演情報 崖っぷちウォリアーズ「そこにある場所」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    シナリオが浅い
     街場でカフェを経営する一家にはもう一つの顔があった。然し、兄弟5人のうち1人だけ、この件については蚊帳の外。

    ネタバレBOX


     シナリオの掘り下げが浅い。これは決定的である。扱われているテーマは掘り下げ方で可也深く持ってゆけるハズの埋蔵金問題。それも徳川の埋蔵金ということで特に長州閥の政治屋共と旧幕府サイドで理論派を形成していた水戸学に繋がる思想犯やそのイデオロギーを信奉する草莽との確執、現在の総会屋に繋がる自由民権運動の浪士たちと資本家共の争闘・確執、戦前は現公安警察に繋がる特高で辣腕を奮い、暗号名ポダムを持った正力 松太郎他の面々、即ち戦後はCIAエージェントとして日本をアメリカ植民地として管理した上級奴隷、正力やその右腕であった柴田などと吉田茂、中曽根康弘や安倍晋三などの国賊までの流れと意識的民衆との戦いなどをカバーしていなければ、この喫茶店に関わる兄弟たちの父が警察権力によって抹殺された、ということにはリアリティーが生じない。総ての挿話が、このレベルで浅すぎるのである。
     これでは演出がどんなに頑張っても、また役者がどんなにキチンとイマージュを具体化しようしてもできるものではない。シナリオライターはキチンと必要な勉強をすべきである。無論この程度の知識だけで、いいシナリオが書ける訳ではない。世の中には、知識だけ一杯持っている馬鹿が多数存在するが、このような間抜けを真似る必要はさらさらないどころか害悪であることは明らかである。肝心なことは様々な知識を必要に応じて用い、人間を描くことなのであるから。人間が描けて初めて作品というレベルに達するのだ。ここが、始まりである。

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    2016/03/14 22:48

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