ザ・ドリンカー 公演情報 浮世企画「ザ・ドリンカー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    キモノ芝居。
    それなりに精魂使った投稿が、「登録する!」をクリック後、「このページは表示できません」となり、戻ると白紙になっていた。 この盛況ぶり(アクセス数の多さ?)、良きことながら・・ 理論的にでなく文体として微妙に表現した文章は再現できないので、箇条書きにする。

    ・西岡未央、どこかで見た・・そうだ新国立研修所で・・と芝居終盤で発見。主役の伊達暁もその何期か前の。他に猫ホテ・村上航、ナイロン猪俣、あと一人顔は一致しないが見たはずの役者・・・ 実力ある役者を使っての「浮世企画」の浮世とは、江戸の事? 氏素性知らぬユニット。
    ・文学座・山谷典子、俳優座・美苗ら「演じて書ける」才女の一人、今城氏の出自も知らず(こちらの方が経歴は長いかも?)。
    ・幽霊噺。・・語り部&男の幽霊役という難物が、猪俣による力技でどうにか成立したという点を除けば、各場面面白く観た。
    ・芸の道を求める主人公狂斎は絵師だが、その闇を描き出している。描きたい欲求に正直に描いてきた彼の、酒と饒舌に暮らす日々が西南戦争以後、死に怯える日々となる。虚しさにさまよい、絶望に漂う彼は、死んだ妻と死んだ後妻の霊、そして先の男の霊とのやり取りの中で、再生して行く。そこでは彼の裸の姿、弱さが暴露される。
    ・この場面は台詞劇としてぐっと深まるが、所詮幽霊とのこと、安定を獲得したその後の彼にとって、それは一つの通過儀礼、いわば「夢落ち」と言える。
    ・メッセージ的には、人は安定を欲するなら逆説的に、自分を極限に追い込み、何かを追求する所に身をおかねばならない・・といった風である(書き手の意図とは異なるかも知れないが)。名も無き失敗者のそれでなく、著名人のそれは、「成功の秘訣」的な教訓に変換されかねず、しかしそうした「極限」を欲する若者は存在するし、「極限」になり得ない現実に突き当たり、その神話を既に放棄した者も居るだろう。
    ・「闇」が印象に残る。台詞と、照明、音響のリズムが作ったのだろう、悪夢のある瞬間のようなイメージが、感覚的に(肌触りのように)残っている。人間の心の闇を舞台上にイメージとして表出させ得た。演出のうまさ。
    ・本に戻れば、時代や人物の情報の台詞への織り込み方、台詞回しの切れ具合もよろし。
    ・何yり、狂斎と交わる人物たちが魅力的に形象され、それぞれにおいしい場面が作れていた。役者たちの面目躍如。
    ・歴史に何を汲み取って行くのか・・作家の仕事をまた、覗いてみたい。

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    2016/02/21 01:40

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