しあわせな日々 公演情報 双身機関「しあわせな日々」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    しあわせとは。
    Oh les beaux jours(仏)という題らしい。美しい日(々)。 以前観たALICAの上演も同じく中央に盛り上がった山の頂上に腰まで埋まった女優(ウィニー)が伏せていて、開演と共に起き上がって語り始めるパターンだった。時々男(ウィリー)が一言返す。美術は金氏徹平氏、男優は福岡ユタカ(ミュージシャン)を起用。休憩をとって二幕には女優は胸まで埋まっていたが、時間経過というより「徐々に埋まって行くみたい」程度の変化で、さほど深刻なイメージは無かったように思う。金氏氏の作った山は家電とかさまざまな物が入り組んで置かれ、時々崩れて大きな音を立てて床に落ちたりする(裏の操作で落ちる仕掛け)ので、「何かが壊れて行く」感じを表現していたのだろう。女優の語りは身体との距離があり、全てが比喩のように見えた。
     こちら双身機関版は、最初「同じ」との印象から観る内に「違い」が見えてくる。 女優の語りに温かみがある。夫への愛情の形、現状への折り合いのつけ方が語りに滲んでいて、「ああ、こういう話だったのか」と改めて気づく。
     この芝居の数少ない物語的要素は、一つは一幕から二幕への「埋まり方」の変化、そして夫(恋人?)の寡黙な中でも幾つかの発語を、どう作るかで夫の人物や彼女との関係性が謎解きとして浮かび上がる部分、あとは彼女の語りが徐々に明かしていくもの(といっても劇的な何かが起きる訳ではないが)。 ウィニーの一人語りがほぼ全てである。
     ベケットがこれを書いた時代の通念、風潮、事件、もしくは演劇的状況がきっとこの作品の下地に恐らくある。というのも、この芝居がこれ自体完成された美をたたえているのかどうかと言うと・・疑問である(そこは意見の相違がありそうだが)。従って、これを今やるというのは、ベケット的には日本でやるなら日本に置き換えた「しあわせな日々」をやるのが正解なのではないか・・と、戯曲をきちんと追えていないが、そういう印象である。
     女優の演技と、美術的な成果を評価。

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    2016/02/08 00:45

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  • 御来場ありがとうございました。また、貴重なご感想ありがとうございました。
    この作品はまさに役に乗り移るように取り組んで参りました。読めば読む程に、隠された思いが浮き彫りになり登場人物や人生観が現実化してくる。本当に深い作品だと思います。
    この作品を演じられた事こそ私にとっての「しあわせな日々」でございました。
    今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

    2016/02/08 16:52

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