満足度★★★★★
修了公演はいつもスゴイ
八幡みゆきさんの出オチのようなオープニング。彼女、こんなにも存在感があったのかと驚かされた。あの、役へのフィット感は最高だ。あれほど不幸な田舎娘が似合うとは。ポジションは「おしん」で、精神は「じゃりん子チエ」。愛おしいキャラクター。●貧富の差が人間の歪みを生む。そこに奔放な性の欲望が渦巻き、裏切りと侮蔑が社会を蝕む。放蕩息子に弄ばれ、懐妊を悪のように扱われる幸薄い女中を宇田川はるかさんが好演。控え目な演技ながら女としての人としての誇りを醸す。彼女の今後を観続けたい。●毎年思うこと。修了公演までの1年で、幾つかの試演会を経て研修生のそれぞれにスポットが当たる演目を上演させるスタッフの目と、目に見えて成長する研修生に感心させられる。先輩たちに劣らぬ活躍を期待しよう。●修了生ももう100名超。多くの公演や作品で見かけるようになった。しかし、まだまだ十分とは言い難い。研修所には、国立の強みを最大限に活かして、OB公演等の企画を切に願う。『研修所修了生』という大きなカンパニーの活性化を望む。