気持ちをきかせて 公演情報 空間製作社「気持ちをきかせて」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ブライダルコメディ...面白かった【チーム上田】
    10周年記念公演第2弾、本公演はシチュエーションコメディの珠玉作。チラシの説明や絵柄(父が娘をエスコートイメージ)から明らかなように、結婚式におけるドタバタ物語。Broader Houseという小規模空間をいかに結婚式場らしく観せるか。その建物の規模や立地的な説明は省略し、心模様・機微のような人間味の部分を中心に描いている。

    さて、当日パンフに脚本・演出 うえだかつひこ氏が「第1回作品はミュージカル『雪の華』です。ラストシーンに雪を降らせたのですが、終演後に劇場を出ると本物の雪が降っているという自然界の粋な演出で時間製作社はスタート」と記しているが、本公演も楽日最終公演後に劇場を出ると霙(みぞれ)が、そして翌日は雪になった。10周年を迎え、応援するかのように自然界の演出があったようだ。

    ネタバレBOX

    梗概は、説明から「新郎のシンイチロウと新婦のハルナは、新婦の父親から反対されていた。 議員の父親からすれば、高卒でリストラされたシンイチロウは頼りなく思えたからだ。 苦難を乗り越え、ようやく結婚式を迎えた二人だったが …。」

    冒頭の舞台セットは、円柱の吸殻入れとBox(椅子イメージ)があるのみ。全体を通じてほぼ素舞台で、シーン作りは役者の演技力にかかる。この結婚式は訳ありで、それをいかに式場の係員が新郎・新婦に寄り添うことが出来るか。挙式の出席者の一人になったような気持...とはいえ、ドタバタしている裏舞台は見られないので、(表・裏)同時進行を俯瞰するような感じである。実際ありそうなシーン...父親の反対はもちろん、親戚や友人が出席しない、脅迫文が届く、余興ネタがないなど。その都度式場係と派遣会社から派遣された成りきり友人(2人)がピンチを切り抜ける。披露宴時間という限られた時間設定のためテンポ良く展開する。

    各キャストの個性豊かな性格付け、式場における立場(リーダー、司会者、調理師)、それに前述の成りきり派遣友人の強かさ(仕事を兼ねた結婚相手探し)が面白い。もう少し個々人の経歴など背景の深掘りがあれば良かった。まぁ典型的なドタバタ喜劇であるが、泣き所もしっかり取り入れ観せる。この日に結婚式をしたかった理由は、亡き母を同じ年齢になったこと、そして母の命日であること。

    最後に、余興シーンで成りきり友人の一人(馬場史子サン)が行う、ジブリ作品のワンシーン・メドレーには(会場内が)爆笑した。上演後1Fで挨拶させてもらったが、他公演(「落伍者」@てあとるらぽう 他)も観ているが、このようなネタを持っているとは...。
    この劇団公演、次回も楽しみにしております。

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    2016/01/19 18:08

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