AKEGARASU―明烏 転生 公演情報 NPO法人WOMEN’S「AKEGARASU―明烏 転生」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★


     新内流しの名作「明烏夢泡雪」をモチーフに書かれた今作。

    ネタバレBOX

    タイトルの示す通り時次郎と浦里の輪廻転生譚であるが、新内が生で唄われ三味がこれも生演奏で入る所が結構あって聞かせてくれる。江戸時代や明治時代迄、喉の良い者は女性にもてた、という話が随所に出てくるが新内節、実に粋である。実際生で新内の入る部分は、道行など見せ場なので猶更である。
     如何に花魁と雖も娼婦は娼婦。金を張られれば自分のマブ以外の男とも寝なければならない。この辺りの事情を絡ませながら女の深く狭い愛を貫く姿は美しい。有名な作品をベースにしているので、内容についてはくどくど言わない。想像がつくだろう。
     演技陣の力量の高さに新旧二組の恋人達相互の嵌入の在り様、音曲のみならず照明など効果の巧み、階段をいくつも組み合わせたような舞台美術とそれを過不足なく使い切る空間処理感覚の鋭さなど、流石、劇作家協会の演目である。さらりと入れた演劇論なども面白いし、余り前面に出さぬようにはしているが、体制への異議申し立ても無論無い訳ではない。但し、今作では純愛に重きが置かれてはいる。が、これだけ完成度が高ければ、これはこれで良しとすべきであろう。大いに楽しめた。

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    2016/01/17 00:40

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