ラマルク 公演情報 にびいろレシピ「ラマルク」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    女性的アプローチ

     殆どの場面が地下で展開するのは良いのだが、その展開の仕方が、如何にも総てが部屋の中で起こるといった展開の仕方なので、まるで文明の進んだ現代の若い主婦感覚といった感じである。

    ネタバレBOX


     男である我々は基本的に外に出るので、こういう作り方を受容するのには慣れていないこともあろうが、かなり眠たくなる。
     恐らく核被害によって地下シェルターに閉じこもることになった姉妹たちは、遺伝子が破壊された為に二度と咲くことのない花の代わりに風船をプランターに活けている。こうやって健康だった頃の自分達のアイデンティティーが保たれているかのようなままごとをしているのである。
     そこへ20年ぶりに外界へ出ていたでんちゃんが帰ってくる。外界に出ていた為、彼女の身体は大きな変化を遂げている。恰も四足になったかのようだ。この核被害以降の、どこにも逃げようのない地獄を、身体の内側に抱えた毒(放射性核種)と共にシェルターで生きて行こうとする物語と捉えた。だから、会話は劇的ではない。寧ろ、アンリ・バビュルスの描いた地獄に近かろう。

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    2016/01/15 23:58

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