オレアナ 公演情報 パルコ・プロデュース「オレアナ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    見事に
    不快だった。ふざけるなと叫びたくなる衝動に駆られた。狂気という凶器。理不尽に追い込まれて、もがけばもがくほど食い込んでくる罠。男であることが弱者であることの恐怖を感じさせられた。痴漢冤罪とかの恐怖は、こんな感じではなかろうか。教育現場は戦場だと思う時がある。想像を超える思考をする生徒はいる。同時に、想像を超える思考をする保護者もいる。良かれと思った指導の真意は届かず、捻じ曲げられる。現代で教師は聖職などとは程遠く、生徒や保護者やマスコミから狙われ叩かれる弱者だ。実に欧米的な作品。会話劇であるけれど、全く会話していない。ただ自分の言いたいことを相手に浴びせるだけ。で、時折相手をねじ伏せて、無理やり聞かせる。アスペルガーだ。表が読めないと、理解できないと興奮する彼女は、その典型だ。うーん、こだわりが偏ると、怖いな。

    ネタバレBOX

    一幕と二幕で、彼女は豹変するように思えたが、オープニングで部屋を見回す彼女の目の中に全てが内包されていた。20秒ほどで見せる志田未来さんの喜怒哀楽に驚愕。教授が何気なく発した言葉で、スイッチが入っていくのがわかる。彼女の表情を観ているだけで物語が見える。電話がかかる度に、空気と思考が遮られて状況が一変してしまう。「15分で…すぐ片付ける…苦情…」知らぬ間にスイッチを入れてしまう。彼は彼女を見ずに話すから、彼女の変化に気付けない。電話はこちらの状況にお構いなしでかかって来る。土足で生活に入って来る。電話は恐ろしい。野球では、投手が一番自信を持っている決め球を狙えという。それを打たれると混乱するからだ。教授は、学生の権利や人権は侵害しないことを信念にしていた。だから、そこを攻められた動揺と混乱は地獄絵図。二人の権力抗争は果たして、教師と生徒、男と女、富裕層と貧困層の争いなのか。

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    2016/01/03 16:54

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