わがまま、こどく、かいにん、 公演情報 the pillow talk「わがまま、こどく、かいにん、」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    誰が対話を奪ったのか?
     全編ディスコミュニケーションのオンパレードである。

    ネタバレBOX

    無料タウン誌の編集部でインターンをやっている男と彼の出身校を舞台に描かれた現代日本のディアスポラ同士の交わすコミュニケーションの不可能性を描いている点で注目を惹く。この植民地に暮らす若者達の、夢など見ようにも見ることの叶わぬ状況を描く。このことによって、大人たちに反抗するという姿勢を表しているように思う。
     実際、現在この国で起こっていること、これまでに起こってきたことを色眼鏡を掛けずに見れば惨憺たるものである。その証拠に安倍の如きキ印が、この国を後戻りできない奈落に引きずり込んでゆく状況に対し誰も効果的な手を打つことができないではないか! サラリーマンと呼ばれる者の大多数が社畜と化して、結果的に体制を補完し地獄への道へのレールを敷いている。経団連の2014年度の政治献金は大幅に伸びて、その殆どが自民党向けである。政治屋と財界が結びつき、それを官僚があの手この手でフォローし、司法も最高裁に至ってはアメリカの完全な犬。検察も同罪である。そればかりではない。マスメディアの殆どが、これら為政者の歓心をかう為に媚び諂い、民衆に伝えるべきことを伝えないのみならず敢えてミスリードしているとしか思えないような「報道」に終始している。更に金融界も官僚と結託して国民にツケを回すだけでは飽き足らず、暴力団と組んで甘い汁を吸っている。政治屋・官僚と言えば嘘吐きという認識が通り相場だ。事実を知らないから国民の判断もかなり狂わされている。結果、権力者の用いる飴と鞭の罠に人々は嵌り易い。こんなことしか生まれてからこのかた見てこなかった若者が絶望という名の無気力に陥るのは必然と言わねばなるまい。これも皆、我ら大人の所為であるから我ら大人の責任は極めて大きい。然しながら、手間暇が掛かる演劇という表現方法を用いて若者がこのような作品を発表するということには、一抹の希望があると筆者は考える。何故なら、このように情けない状況を敢えて描いて見せることで彼らがやっているのは、抗議だからである。100回戦って100回負けても更に戦い続けるのであれば、最終的に負けた訳ではないからである。

    0

    2015/12/04 11:56

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大