満足度★★★★★
ズタズタに愛したいという衝動
とても面白かった。舞台から受けたエネルギーで身体の中のあちこちがあたたまったり固くなったりしていくのを感じながら、この面白さを言葉で説明することが非常に困難であると気付いた。
役者たちが期待していたよりもずっとずっとのびやかで、とてもよかった。
時折、堀越涼と末原拓馬が、互いが互いの鏡のように、堀越涼が末原拓馬に見えたり、その逆に末原拓馬が堀越涼に見えたりしたんだが、あれはなんだったのだろう。続けて言えば、堀越涼が岡田あがさに見えたりもした。隅々まで探せば、もっと見つかるのかもしれない。
見た目が似ている、ということではない。呼吸もそれぞれに違うし、瞬きだってバラバラだ。私が見たこの鏡は、一体何を同じであると感じたものなのだろう。この感覚は他の作品では味わったことがないので、原因の見当が全くつかない。
劇場に通い続けると、たまにこういうとんでもない作品に出会うから、観劇はやめられない。