満足度★★★★★
詩のような世界観
過去の記憶、思い出。それらを呼び覚ますキーワード、アイテムたち。
昔を思い出そうとするときに、印象的な出来事から少しずつ記憶が蘇っていく感覚。
曖昧な記憶が徐々に鮮明になっていく感じや記憶の改竄なんかがとてもうまく表現されているなぁと思いました。
時間列車は同じ過去の出来事を行きと帰りで全然違うものとして見せてくれます。
いい記憶として思い起こしたものが、実は忘れたい過去だった。
逃げ出したいほどの痛い記憶と対峙する主人公は観ていて辛かったです。
全体的にかなり重い空気でしたけど、ラストは前向きなエンドかな。
詩的、幻想的な世界観の作品で、台詞回しも時折朗読劇のように思えることがありました。
伏線とその回収も上手いですね。特に切符、ロケット鉛筆のくだりが良かったです。
過去のトラウマとなっていたはずアイテムが未来への切符となっていたのは、
過去を認めて前に進むことが出来た、という風に受け取りました。