満足度★★
最後まで“蚊帳の外”感が拭えず/約105分
“人間にとって物語とは何か?”という大きなテーマを扱っているのだろうが、劇作家とドラマドクター、あるいは劇作家同士の観念的なやり取りにほぼ終始し、“その世界の内輪話”といった印象が否みがたく、劇作と無縁な私はずっと“蚊帳の外”感を抱きつつ鑑賞。
お話作りのプロである劇作家を、桃太郎ほかの物語を集合知によって作ってきた“偉大なドラマメーカー”たる人類の尖兵的な存在として、すなわち我々と地続きの存在として描いてくれれば、もっと当事者意識を持って鑑賞でき、より惹きつけられたかも。
だのに本作、劇作家というものを、我々とは別世界に住む異人種であるかのように描きすぎている。
ゆえに遠く感じられて感情移入がしづらいのだ。