東京裁判 公演情報 パラドックス定数「東京裁判」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    改めて感じるパラドックスの力
    再再演の舞台を観て以来の、観劇でした。

    いつもの、狭い空間での上演が、緊迫感を作り出していたので、俳優座劇場での上演は成功するだろうかと、心配しながらの観劇でした。

    開幕前には、左右に、常時置かれている木材などが立てかけられていて、やはり、この作品には相応しくない劇場空間ではと危惧しました。

    ところが、始まってみると、嫌がオウにも、中央の5人に、気持ちが集中して、知らない間に、その木材などは、目に入らなくなりました。

    野木さんの、筆力、構成力、演出力と、5人の役者さんの力量で、東京裁判の弁護団しか、視界に入らなくなるなんて、これぞ、パラドックスの力技だと、感嘆するばかりでした。

    ネタバレBOX

    以前観た時より、整理されていた印象を受けました。

    5人の、出自や体験が、それぞれ、露呈するシーンが、かなりカットされていたと思います。

    それによって、芝居の論点がずれず、ただ裁判の弁護手法に重きが置かれる舞台進行になって、観る側にも、思考停止にならない配慮があったと思いました。

    以前観た時よりも、終戦時の知識が増えたせいか、話に出る人物の経歴や人となりなども、わかって観ているので、5人の日本弁護団の心情に寄り添って、舞台を見守ることができました。

    何度拝見しても、凄い!と敬服してしまう、演劇作品です。

    ただ、一つ残念だったのは、私の位置からは、背中しか見えない水越役の植村さんの台詞が、囁く時では、ほとんど聞き取れなかったこと。
    彼の演技は、大好きなので、より、残念に感じました。

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    2015/10/24 13:11

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