満足度★★★★
「外部者」に翻弄される無辜の市民実際の事件を元に書かれたと示す「副題」を認識せず、観た。すると、これは誰だかよく知らない人間が、無防備な一般人の家庭に入り込み、牛耳って行く「恐怖」とともに、それを受け入れて行く側の奇妙なあり方、非主体的とも言える精神性をあぶり出しているようにも見えた。 とりわけ黒船以来、「強者」への対し方、距離の取り方(対等な付き合い方)を、悉く失敗に終わらせた過去の延長である日本について、比喩的に指摘しているようにも感じた訳である。 いずれにしても、別役実の新作という。筆の力は全く衰えず、恐ろしげである。
ネタバレBOX
0
2015/10/12 02:47
このページのQRコードです。
拡大