愛すべき部屋 公演情報 GOLDENBOY「愛すべき部屋」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    歪んだ部屋に変人家族が…
    愛すべき部屋であるが、歪んだ部屋でもある。旗揚公演として、観てもらいたいとの思いは伝わる。それは、舞台セットを芝居のテーマなりコンセプトをイメージするよう努力しているところ。
    しかし芝居は、気になるところが多かった。

    ネタバレBOX

    この公演で描かれた場所はどこだろうか。そして何のために行っている行為なのか、という疑問符がいくつも付くような話であった。

    この舞台セットはファンタジーの世界観を演出するためか、「愛すべき部屋」というタイトルからは想像もつかない歪んだ...そうビックリハウスのようである。壁はダーツ的のような絵柄が歪み、床もその影のように、こちらはオセロの白黒格子のようになっている。下手壁には緑枠(枠上部には蛇)の開閉ドアが斜めに作られている。そして舞台中央に脚高のファション丸テーブル、その下に兎頭のオブジェなどの小物。
    この歪んだ部屋を訪れた普通のメイド、アユミが体験する奇妙な出来事が物語であるが...。
    そこに次々と人が現れ、いつの間にかテーブルでトランプゲームを始める。この時の演技も黙々とカード操作を行い、次の人のプレイを促すためにチェス駒を1騎動かすのみ。その時、カッカッと乾いた音がするのみでテンポがない。また、大きくない劇場での大声は必要ない。怒鳴り声と感情のある叫びとは違う。
    公演全体としては、脚本・演出・演技で観せきれていないようであった。

    当日パンフの挨拶文(手紙)から推察すると、この家に普通のメイドとして働きに来て、そこの住人…私、夫、娘、義父とトランプを、そして紙面には家族は人見知りがあり、もしかしたら突然怒ったり、泣いたり、あなたを銃殺したりするかもしれません。…アユミさんに関心がないだけなのです、となる。

    この物語をもしかしたら、不条理劇のように描いているとしたら、どこか迷路に迷い込んでいるとしか思えない。”この場所はどこ”、”どの方向に行くの”が明確にできていない。自分の立ち位置をしっかり見極めることが必要だと思われる。迷子から早く脱出することを願うばかりである。
    なお、先にも記したが観客に観せようと舞台セットに工夫を凝らしたりしており、その姿勢には好感を持っている。

    次回公演を期待しております。

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    2015/09/21 23:54

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