満足度★★★★
究極の言葉遊び
筒井康隆の「残像に口紅を」(未読)にある「文字消し」という縛りを芝居に応用したそうで、進行するにつれて使える文字が減って行くという言葉遊び系作品、04年12月の『尻盗り物語』における「すべての台詞が尻取り」というムチャに輪をかけたムチャ。
が、その着想のみに溺れることなく、小松左京の「こちらニッポン…」のようなシュール系SFと通ずる雰囲気のあるストーリーもなかなかしっかりしていて感心。
また、舞台の上手側に五十音表があり、その文字が次第に消されてゆくことで、どの字が使えなくなったか観客にわかる工夫も○。
使えなくなる前にその字が頻出したりするので、次はどの字が消えるのか推測する楽しみもアリ。
それにしても半数近くの文字が消えても会話がちゃんと成立するのは意外で、さらに最後はすべての文字が消えるのもスゴい。