恋 其之参 公演情報 テラ・アーツ・ファクトリー「恋 其之参」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    主婦たち、それぞれの夫、一人の女。
    開演。俳優の立ち方、言葉の発し方、踊り。それら全てが「古い」と感じる。意図的であるのか、どうかが不明。技量と考え合わせ、意図的ではないだろう、という印象に傾く。だが、この戯曲が書かれた時代の、パフォーマンスの再現と理解し直すと、少し違う印象にもなる。それはそれで貴重に思える。戯曲が描いている時代はさらに遡るようである。否、時代の交錯するエアポケットがそこに生じたような、話であった。
     「其之弐」同様、女性目線で書かれた洲崎を舞台にしたドラマは、7人の主婦とその夫、強姦され死に至った(と思しい)女性、その同類ないしは同根である花街に働く女性が登場するが、主婦と夫の7バリエーションの組合せで、男の場面も女の場面も常に順番に喋り、相似形をなす。大多数の人間、大衆である。多数の暴力に相対するのは、犯罪の犠牲となった一人の女性だが、この存在が大衆たる家庭に動揺をもたらし、最終的には定型的な収まり方に収まるという結論。
     終盤、相楽ゆみの舞踏が秀逸で、一連のパフォーマンスの中にあって舞台を引き締めていた。

    ネタバレBOX

    舞台とは関係ないが、、『洲崎パラダイス 赤信号』)(監督川島雄三)という映画、秘かにお勧め。

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    2015/07/26 05:06

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