東海道四谷怪談 公演情報 新国立劇場「東海道四谷怪談」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    演出意図が不明
    南北大好き人間として、とても不満だらけの「四谷怪談」でした。

    何もかも、中途半端な印象。

    演出家が、この舞台で何を見せたいのかが、不明でした。

    コクーン歌舞伎の真似したかったのかしら?と、ちょっと思ったり…。

    お岩の悲哀と、伊右衛門の、人間の弱さが、表出されない「四谷怪談」は、私にとっては、フェイクでしかないと感じられました。

    ネタバレBOX

    まず最初に驚いたのが、有薗さん演じるお梅の見せ方でした。

    わざと、男声で、下手な演技を装わせ、登場の時には、笑いが起こりますが、それがずっと続く程、面白いわけでもない。

    この仕掛けは、この舞台で、どういう効果があるのかが、謎でした。

    秋山さんのお岩は、最初から、迫力満点で、怖いし、内野さんの伊右衛門は、あまりにも能天気な雰囲気に終始します。

    南北作品て、現代にも通じる、人間社会の闇を活写しているからこそ、面白いのに、お岩にも、伊右衛門にも、気持ちが引き寄せられない、似非「四谷怪談」には、正直、閉口してしまいました。

    南北の描いた世界を切り捨て、新たな切り口で、斬新な演出をするなら、それはそれで一興ですが、ほぼ内容は、歌舞伎狂言を踏襲しているから、余計意図が読めませんでした。

    戸板返しにしても、仏壇抜けにしても、本家の方が、どんなに迫真的か!
    歌舞伎を中途半端になぞるなら、むしろ、全てが、オリジナルな演出で、森さんが描きたい「四谷怪談」をお披露目して頂きたかった気がします。

    ただ、伊右衛門の母親の描き方は、ちょっと斬新で、面白く拝見しましたが。

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    2015/06/25 03:02

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