満足度★★★
長田の白鳥にちょっとガッカリ
14日午後、新国立劇場バレエ公演『白鳥の湖』千秋楽の舞台を鑑賞。今回の公演期間中唯一行ける日程が14日だったのだが、結果としてよく見る小野絢子や米沢唯ではなく、あまり見る機会の少なかった長田佳世の白鳥を観ることが出来たのは、ある意味貴重だったかもしれない。
お気に入りの本島美和は堀口純と第三幕のスペインの踊りに登場。颯爽な動きと美貌はやはり個人的にはバレエ団一のお気に入り。
長田のオデット/オディール、踊りはガシッという言葉が似合うようなしっかりしたものだったが、筋肉質の体型とオディールはまだしもオデットの際の表情の生気のなさ(演出的な要求か?)にちょっとガッカリ。正直、白鳥の役には向いていないような印象だった。
対して、コールドの美しさや、先述したスペインの踊りのほか、ルースカヤなど第三幕の各踊り手の熱演が目立った。また、主役級というより凖主役級でもある道化の踊りも印象に残った。最近観た白鳥の中では抜きん出た道化だったよに思う。
もともと新国立の牧版白鳥は、無駄な曲と踊りをカットして分かりやすくするという方向性の演出であったが、それが逆にラストシーンの蛋白化を招いて全体的に平板な舞台となっていたが、今回は少し演出に手が加えられたようで各幕の出演者の表情や踊りに活気が感じられ、ラストシーンも今までよりはやや劇的な展開になっていた。まぁ、これは悪魔役の踊りと演技の力量がをきちんと生かし切ったということで、新監督である大原の意向の反映なのかもしれない。