マインドファクトリー~丸める者たち~ 公演情報 かわいいコンビニ店員 飯田さん「マインドファクトリー~丸める者たち~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    理不尽な現実
    あまりに理不尽だが、恐らく多くの部分で作・演出の池内風氏の実体験であろう舞台。コメディ調ではあるが、高校の部活動について考えさせられる。
    以下、ネタバレで。

    ネタバレBOX

    創立間もない高校野球部の話であるが、県大会で前年ベスト16まで進んだことで、今年度の部員たちにも多くの期待がかかる。
    だが、野球部の顧問は自分の理論を元に部員たちに手をあげていた。
    この理論があまりに理不尽であるが、周りの期待や悪い意味でチームワークを乱すと考えてしまい部員達は受け入れている。
    多感な時期であるが、一方的な理論での考え方しか与えられなければ、善悪の判断も鈍るのであろうか。いや、田舎の野球部を強くした町の英雄である監督には絶対的な権限が与えられており、逆らう事は出来ないのであろう。両親の支えもあり、退部を決断するが最後は力つきてしまう田所主将はよくやったと褒めてあげたい。

    この話で一番怖いのは、止めるべき周りの大人達がいない事だ。ともすれば、まるでそれが正当かと思ってしまっている。養護教諭や野球部部長、また最初の頃の徳原部員の父しかりだ。
    他の先生方も治外法権的な野球部には深く関わろうとはしない。
    また、監督も自分の理論が間違っているとは思っていないのであろう。
    近年も同様の問題が報道されたが、その際も先生を擁護する声が多く聞かれた。マインドファクトリーとは良くつけた名前だと感じた。
    (鶏のシーンもそうですね)

    リアルな脚本と役者さん達の熱演により色々と考えさせられる舞台でした。個人的には、監督役の山森信太郎さん、田所主将役の杉浦一輝さん、養護教諭役の百花亜希さん、そして田所主将の母役の中島美紀さんが印象的でした。他の方も皆さん熱演で、オープニング前の応援シーンで本当に力をいれて手を振っているのが分かり、始まる前に本舞台の期待が高まったのも覚えております。

    少し残念なのは他の方も書かれておりましたが、暗転の多さと公演時間が少し長過ぎると感じてしまいました。

    コメディ調は残しながらも、前作とはうってかわった本劇団の次回公演が今から楽しみです。

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    2015/06/14 19:15

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