ゴベリンドン 公演情報 おぼんろ「ゴベリンドン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    3回ともひな壇で見てしまった
    ので、座る場所によって変化するというこの傑作を違う角度から見られなかったのは残念でしたが、それでもお芝居が成熟していく過程を十分楽しめました。八年虹色アゲハに寓意されるトシモリとタクマの愛の形、3回目にしてやっと理解出来た気がする。こんな小さなものをメグミに託して消えてゆく二人の運命が、ゴベリンドンから受け継がれたものであることも悲しい。こうした悲惨な運命の連鎖のようなものは世の中に確かにあるのだ。貧困や虐待の連鎖、不幸な国に生まれ、次世代によけい大きな不幸を背負わせてしまう不幸の連鎖。そんな中でわずかに幸福だった少年時代や、美味しい食べ物はなんとキラキラ輝いていることだろう。こうしたディテールがこのお話の中でもすごく生きていて、よけい涙を誘う。何だか、「火垂るの墓」を思い出してしまった。様々な愛の形と、残酷な運命、そしてキラッキラのloveと優しさを描いて、いつまでも記憶に残る舞台でした。

    ネタバレBOX

    廃工場での公演に較べて物足りない、インパクトが弱いとの声も多かったが、後半になるにつれ、そんな声も無くなってきた。でも、もともといくつかのシーンがよく磨かれて、見どころが増したせいもあったと思う。沼の精の美しい歌声、魔女の死体洗いのシーン、トシモリのタクマを呼ぶ時の慈愛に満ちた声、切羽詰まった村人たちの恐怖と怨嗟のシーン、ゴベリンドンを抱きしめるタクマなど、どれもこれも美しくて印象が強烈だ。でも人間って贅沢だから、美しいシーンが多くなると却って印象がばらけてしまうのだろう。私?私は視覚記憶がいいので大丈夫!メグミの衣装だってばっちり作れるくらい。廃工場での凄まじかったゴベリンドンの慟哭のシーンはよく言われるが、今回も苦痛に満ちた変身のシーン、タクマを追い払う悲しいシーンなど、枚挙にいとま無い。よく練られ磨き上げられた素晴らしいゴベリンドンでした。

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    2015/06/07 21:11

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