満足度★★★★★
3回ともひな壇で見てしまった
ので、座る場所によって変化するというこの傑作を違う角度から見られなかったのは残念でしたが、それでもお芝居が成熟していく過程を十分楽しめました。八年虹色アゲハに寓意されるトシモリとタクマの愛の形、3回目にしてやっと理解出来た気がする。こんな小さなものをメグミに託して消えてゆく二人の運命が、ゴベリンドンから受け継がれたものであることも悲しい。こうした悲惨な運命の連鎖のようなものは世の中に確かにあるのだ。貧困や虐待の連鎖、不幸な国に生まれ、次世代によけい大きな不幸を背負わせてしまう不幸の連鎖。そんな中でわずかに幸福だった少年時代や、美味しい食べ物はなんとキラキラ輝いていることだろう。こうしたディテールがこのお話の中でもすごく生きていて、よけい涙を誘う。何だか、「火垂るの墓」を思い出してしまった。様々な愛の形と、残酷な運命、そしてキラッキラのloveと優しさを描いて、いつまでも記憶に残る舞台でした。