満足度★★★★
20日『エスメラルダ』マチネ
「タンバリンの踊り」が有名なバレエ、全幕を観るのは初めて。
で、全幕上演が日本でなかなかスタンダードにならない理由はなんとなく分かったり。
民衆の反逆やらフロロのフェビュス殺害やら、ドラマチックに盛り上げるべき部分がやや中途半端に感じられなくもなく、転換の時間も多いような。
そんな作品でも、ダンサーのパワーで圧倒させちゃうモスクワ音楽劇場バレエ団はすごい。
ステージからピットに落ちちゃうんじゃないかってくらい舞台全体をエネルギッシュに踊る群衆。
パドブレで後ろに下がるだけで「エスメラルダ」ってキャラクターが鮮やかに刺さってくるタイトルロールのオクサーナ・カルダシュが素敵。
予算の都合かびっくりするくらい小編成だったオケも、そんなことを感じさせないくらいダイナミックに歌ってて素敵。
主演のカルダシュの次に終幕後の拍手が大きかったのはカジモド役とジプシー女役のダンサーだったんだけども、カーテンコールで登場するのはエスメラルダの他にはフェビュス役とフルール・ド・リス役のダンサーのみ。
向こうの客と日本の客の喜ぶモノの違いを見たような気がした。