満足度★★★★
輝く星のような。。
チケットが取れたので、映画版を見るのは控えた。平田オリザ原作脚本というのもそうだが、未知なる<ももクロ>、一味違うアイドルだと真顔で論じる評論家や劇評家がいたりで、気にしていたから舞台化を必ず行こう、行きたいと思っていた。メンバーが5人である事も知らない私は、妙に5人だけ目立つ演出が「序列」の反映かと憶測するような体たらくで、どこかで見たと思った役者は青年団だったり、後で判明して納得したような案配である。劇中、体調不良で出て来ない部員が後から鳴り物入りで拍手を浴びる人気メンバーか、と思えばそんな風でも無かったり。前知識を持たなさ過ぎってのもどうかという話だが、全くのサラで見た新鮮さは替え難い。
高校演劇部の話。取り組んでいるのは『銀河鉄道の夜』。被災地の事。ネタとしてはベタなものばかりだが、ネタに依存せず「現代口語」の日常性(の中の笑い)を舞台上に展開させた脚本、そして「真情あふるる」銀河鉄道の台詞を輝かせる事のできる、ももクロ始め若いメンバー達の透明感が、何より替え難い武器となっていた。舞台美術も良い。ももクロのメンバーに「歌」を披露させる脚本上の仕掛けも憎い。女性だけなのに男性不在の不自然さがない。性別を超越した佇まい、恋だけじゃない青春・・。
主要メンバーの一部は映像向きの演技で、声量、明瞭さに欠く部分もある。だが今回初めてという舞台の取り組みには、観客と相見えて変化していく振れ幅が大いに期待される(私もそれゆえ後半日程を希望したが2日目しか取れず、残念)。演劇の動的な躍動、瞬間を生きる感覚を発見し、客席にフィードバックして行ってほしい。