満足度★★★★★
無題1466(15-114)「水辺のデッサン」
18:00の回(晴)。
17:22会場着、受付、1Fで待機、17:30開場。初日に続いて再演2回目(通算3回目)。
夕方:夜の回も観たくてやってきました。時間が合えばと思っていて、当日券で大丈夫か電話で問い合わせしOKでしたので移動、客席は満席。
本の配置が変っていて、よくみるとソファは長いこと使われていたようで、ところどころ模様が薄れ、少し開けられたガラス戸からは風が入り込む。対岸では、車が絶え間なく行き交い、電車が大きな音で橋を渡る。BGMはアコースティックギターやピアノの澄んだ音色、舟が白い軌跡を残す。
川と室内、どちらもが歴史を語る本作。下手に置いてあるのは「うたかたの日々(岡崎京子)」、流れゆく時と繋いでゆく世代、繰り返される人の営み、戦争に翻弄されながら貫いたもの、伝わる想い。
想いを果たし、夕方に見えていた薄く色づいた風景はすでに色を喪い、薄れてゆく二人をすっかり暗くなった川辺が包み込み、対岸の明りが行くべき道を示しているようでした。
床、柱の濃い茶色が落ち着きを与え、4人の役者さんは、重くなりすぎないような演技で、昇ってゆく二人と強い絆を見つけた二人とをみせてくれました。
漢人さんは、正反対のキャラクターを演じていたので難しかったのではないかと思い、訊いてみると、少しずつご自身の中にもある、ということでした。
最近、再演ものが数作ありましたが、どれもが心に残る作品(ともちろん役者さん)で、また観たいと思います。